出会いと別れがあるように、若々しい新入社員が入ってくれば、退職していく社員もいます。会社によっては、春になると毎年のように退職祝いを贈ることになるでしょう。このお祝い事は、社会人の一人として避けられないイベントのひとつです。
そんな退職祝いのプレゼント選びで悩んでいる方も多いはず。中でも、定年退職のお祝いとなれば贈る相手は年上であり、自分の上司である可能性があります。それだけに、日頃の感謝を込め、失礼にあたらないプレゼントを選ばなければなりません。
ここでご紹介するのは、退職祝いのマナーや、一般的にタブーとされるNGアイテムについてです。“何を贈るか”も大切ですが、それ以上に“どう贈るか”を意識しながら、プレゼントを吟味していきましょう。
■退職祝いのプレゼントのマナーを知ろう
せっかくのプレゼントも、マナー違反をおかしてしまうと台無しに。そこで、プレゼントを探す前に、退職祝いにおけるマナーを学ぶことからはじめましょう。重要となるポイントは以下の通り。
・相手との関係性に合わせた予算の相場
ビジネスシーンにおけるお祝いは、適切な相場に合ったプレゼントを選ぶのがマナー。相場は相手との関係性によって変動するものの、直接的な関わりが少ない同僚であれば3,000~5,000円程度です。特にお世話になった方や、直属の上司へ贈る場合、5,000~10,000円程度が相場です。また、退職祝いは連名で贈るケースも多いので、ほかの同僚や上司と相談しながら進めてもよいでしょう。
・のしの表書きはどうすればいい?
お祝いの品に「のし」は欠かせません。ある程度年齢を重ねている方ほど、のしに関するマナーを気にするので注意が必要です。のしの表書きは地域によって多少異なりますが、一般的なのは「御退職祝」や「御退任祝」といったもの。特別お世話になった方へ贈る場合は、感謝の気持ちを込めて「御礼」とするケースもあります。
・渡すタイミングは?
退職祝いだけに関わらず、お祝い事のプレゼントは渡すタイミングが重要となります。あまりに早く贈ると「早々に出て行け」といわれている印象を与えますので要注意。一般的には、最終出社日に贈るのがマナーとされていますが、事前に送別会が催される場合のみ、その席で贈っても問題ありません。重量のあるもの、荷物としてかさばるものであれば、配送も視野に入れておきましょう。
■退職祝いのプレゼントとしてタブーとされるものは?
お祝いのプレゼントには、さまざまなタブーとされる要素があります。もちろん、退職祝いも例外ではありません。退職祝いに贈るプレゼントとして避けるべきNGアイテムは以下となります。
・靴や履き物
“相手を踏みつける”という意味がありますので、靴や履き物は目上の方に贈るべきではありません。退職祝いに関していうと、「あなたを踏み台にします」という意味へと繋がりますので避けておきましょう。
・ネクタイ
ネクタイは男性への定番プレゼントですが、退職祝いの贈り物にはふさわしくありません。ネクタイには、「首が回らなくなる」、「生活苦」という意味がありますので選ばないようにしましょう。
・商品券や現金
あたり障りのない、もらって嬉しいプレゼントといえばやはり商品券・現金です。しかし、これらを目上の方に贈ると「手を抜かれている」「見下している」といった印象を与える可能性があります。旅行券・トラベルギフトであれば気を悪くさせる心配もありませんのでおすすめです。
プレゼント選びのポイントは、相手の立場になって考えることです。中には、ネガティブな理由で退職される方もいますので、派手なお祝いは避けるようにするなどの配慮も必要です。どのようなアイテムを、どのような形で贈ると喜ばれるのか念頭に置きながら、心のこもったプレゼントを贈りましょう。